聖霊の息吹を受けた愛徳修道女会は、18世紀にカナダの地に聖マルグリット・デュービルにより創立されました。
1701年10月15日、マリ・マルグリットは、ケベック州のバレンヌで生まれました。
母、マリ・レネ・ゴーチェの父はカナダの父と呼ばれているピエール・ブシェです。
7歳で彼女は父を亡くします。
その後母親を支え弟や妹の面倒を見ます。
やがてケベックのウルスラ修道会の学校で学び、家に戻ったマルグリットは、母親の再婚に伴い、モントリオールに移ります。
そこで、社交界にデビューし、フランソワ・ラジャムレと出会い結婚します。
家庭を顧みない夫と、姑の冷淡、そして生まれる子が3人も亡くなるという嘆きの中で、み摂理であり憐れみ深いおん父である神と出会う霊的体験をします。
おん父が彼女の人生に介入し、その摂理で彼女を支えておられるという体験でした。
その後夫を病気で亡くしたデュービル未亡人は、一人の目の不自由な婦人を自宅に迎え入れます。
それを出発点に、3人の仲間と共に、モントリオールの貧困を極める地区で、貧しい人の求めに応じ、愛徳修道女会としての根を張っていったのです。
デュービル夫人は霊的家族に、永遠の御父への信心と苦しむ人々に対するコンパションのカリスマを残しました。
1990年列聖された彼女は、教皇ヨハネ・パウロ二世によって、「普遍的愛の母」という称号を与えられたのです。
オタワ愛徳修道女会の創立者
エリザベット・ブルイエール
1818年3月19日、エリザベット・ブルイエールはカナダのケベック州、
アソンプションで生まれましたが、6歳の時父を亡くします。
その後、母親の従兄弟にあたるシャルル・フランスワ・カロン神父の保護の下に
置かれ、恵まれた環境の中で、行き届いた教育と時代に沿った教養を身に
つけました。
その後村の小さな学校で5年間教師として働いた後、「スール・グリーズ」の名で知られていたモントリオールの愛徳修道女会に入会します。
創立者マルグリット・デュービルのコンパッションのカリスマに強く惹きつけられたからです。
1844年、愛徳修道女会は、キングストン教区のフェラン補佐司教よりバイタウン(現オタワ)への姉妹の派遣要請を受け、エリザベットは、その創立者に選ばれます。
開拓の途上にあり、道徳的に荒廃しているバイタウンに病者や孤児のための施設と女子のための学校を設けること、更に、在宅の病人達を見舞うことなどがその使命でした。
彼女はこの時、26歳でした。
モントリオールのブールジェ司教は、次のことばで、創立者たちを励ましました。
「私たちの主は、ベツレヘムの貧しい飼い葉桶の上に教会を立てられたことを決して忘れないで下さい。
小さな羊たちよ、恐れないで下さい。おん父は、この憐れみの業をあなた方に委託し、神の国をあなた方に与えて下さいます。」
1845年3人の立願者、志願者と入会希望者それぞれ一人を連れてモントリオールを出発した一行は翌20日、バイタウンに到着し、直ちに貧しい人々の訪問を始めます。
そして2週間後には、フランス語と英語の学校を開校します。そこに、大胆な信仰と使徒的熱意に燃えた女性の姿を見出すことができます。
メール・ブルイエールの信仰は、愛徳の豊かな実りを生じました。
聖霊の圧倒的な働きのもとに、1845年には人材と資金の欠乏のために期待する余地もなかった奉仕活動と事業が実現したのです。
3ヶ月の間に、東部オンタリオ州で最初の英仏語授業の学校、総合病院、また老人と孤児たちの施設が誕生しました。
メール・デュービルのカリスマを身につけたメール・ブルイエールは、教育という新しい分野にそのカリスマを生かしていきます。
子どもと成人に宗教教育を通してキリスト教的生活に導くこともまた、御父の愛に満ちたみ顔を啓示することでした。
メール・デュービルの霊的娘として、彼女は、全生涯にわたっておん父の摂理に委ね、その計画に自分自身を明け渡しました。
そして、十字架につけられたイエス・キリスト、貧しい人のうちに住まわれ、貧しい人と同一化している方に仕える生き方を貫きました。
「わたしの兄弟であるこれらの最も小さな者にしたことは、私にしてくれたことなのだ。」
(マタイ25:40)
メール ブルイエールに倣った姉妹たちは、揺るがぬ信仰とかけがえのない愛徳を学んでいきました。
1847年にチフスが流行した時には、アイルランドからの移民たちの看護に挺身しました。
22人の修道女のうち17人がチフスに感染しましたが、死亡者は出ませんでした。
1871年に天然痘が流行した時にも、患者に対する愛徳の行いは実践されました。
地域の人々は、伝染病患者に近寄ることを拒絶しましたが、メール ブルイエールは医師の要請を受け、人々の目に触れることのないよう修道院の中庭に隔離病棟を設けました。
そして2年以上にわたって、そこに5人の修道女と2人の介助人が住み、誰も好まない病人たちの傍らで過ごしました。
聖マルグリット・デュービルについて
アジア管区本部修道院
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